テナント営業マンコラム

オフィスビルで保育所を開業することはできる?

加治佐 仁

待機児童の増加や、保育士不足の問題が話題になりましたが、

認可保育園などの保育所が通常のオフィスビルにも開業するケースが増えてきております。

 

ですが、そういった問題がなかなか解消されず、

保育所が増えない理由としては、大きな問題があります。

 

実は、オーナーの許可だけでなく、開業するまでに様々な障害があり、

容易には開業できない理由があります。

ポイントごとにご説明していきたいと思います。

 

 

用途変更

全ての建物には、「用途」があらかじめ登記されております。

「用途」とは、住居、事務所、店舗用、工場用など具体的に分類されており、

容易には変更できないようになっております。

例えば、住居として登記している物件で、隣の部屋から急に匂いの出る飲食店が開業したり、

飲食店が集積しているエリアで工場などが建ってしまうと快適な環境を守ることができません。

 

以上のような理由から「用途」が決まっているわけですが、

新たに保育所を開業する場合、当然「用途」は保育所になっていません。

面積が100㎡を超える物件を用途変更する場合には【確認申請】が必要になります。

この【確認申請】を行う際に、建物を建築した当時の【検査済証】という書面が必要になります。

この検査済証は建物が竣工する際に発行されるものなので、

古い物件や、オーナーが変わっている物件だと保管されていないことが多いのです。

【検査済証】が無い場合、その建物が適法であると証明できず、

用途変更ができない為、保育所の開業もできないというケースがあります。

 

 

二方向避難経路の確保

保育所は出入り口とは別に、非常口を設置する事が必須です。

通常のオフィスビルは異なる方向の避難経路を設けることができないケースが多く、

二方向避難が確保できない為、開業の障害となることが多いです。

 

 

その他にも細かな取り決めがあり、クリアしなければいけないことが多い為、

空きの物件はあっても開業まで至らないお客様が多い状況です。

 

福祉政策をいくら進めてもこのような現状では、

根本的な待機児童の問題は解決に向かわないように思います。

まずは、このような現状を知っていただき、社会全体の認知度を高めていく必要があるように思います。

 

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